STEP2 会社の大枠を固める
資本金・株式の詳細を決定する
「資本金の額で信用を逃す」「株主の選定をしくじり社長の座を追われてしまう」
そんな失敗のないよう、資本金と株式の詳細決定は慎重に
小規模の株式会社設立における、資本金と株式の基本情報
「資本金」は、株主が出資した資金です。「借入金」は返済をしなくてはなりませんが、資本金は株主に返済する必要がありません。会社はこの資本金を元に運営していきます。
株主は株式を引き受け、その分の現金を払い込むという形で会社に対して出資をします。よって資本金の額は「発行株式数×株式の発行価額」となります。資本金を決めるときには「発行株式数」「発行価額」「誰が何株引き受けるか」などを決めていきます。
株式の発行価額は自由に決めることができますが、一般的には扱いやすいよう「1万円」「5万円」「10万円」のいずれかにすることが多いようです。
また設立時の資本金とは関係ありませんが、「会社が発行できる株式総数=発行可能株式総数」も決定します。小規模会社であればこの数を制限する規定はありません。設立時の株数が1000株だとして、発行可能株式総数を5000株にしても10000株にしても問題ありません。
では、決めるときの目安は何かあるでしょうか? 多くは最大に増資をした場合の資本金の額を想定し、そこから逆算して何株になるかを出します。
原則として、株式を多く引き受ければその人はそれだけ会社への影響力を強く持ちます。もし50%以上を引き受けた人があれば、会社のあらゆる意思決定において主導権を持ちます。
資本金の正しい決め方
会社法の施行以前は1000万円の資本金が必要だった株式会社の設立が、今では1円からできるようになりました。現在の会社法では設立時の資本金の額よりも、会社の財産状況が適切に開示されること、会社内に財産が留保されることを重要視しています。
ただ小資本でも企業できるようになったのは歓迎されることですが、実際に事業を進めたとき資本金が少ないとすぐに資金繰りが苦しくなってしまいます。赤字を抱えた新規事業者には、一般的に金融機関も融資をしてはくれません。やはり必要かつ充分な元手を用意することが大切です。
また他者からの印象、信用度の面からいっても、あまりに少額の資本金は避けたほうがよいでしょう。以前は資本金の額がそのまま会社の規模や信用の判断基準とされていましたが、今でも多少、そのような見方をされる傾向はあります。
会社設立の重要ポイント「誰が株主になるか」「出資額をいくらにするか」
設立準備の段階で「誰が株主になるか」「株主はそれぞれいくら出資するか」という重要な事項を決めます。社長となる発起人がひとりで全額を受け持ってもよいですし、何人かで出資しても構いません。また個人でなく法人が出資することもできます。
これを決定するときに心得ておきたいのは、株式会社の社長として自分が経営権を掌握したい場合は、資本金の3分の2以上を出資する必要があるということです。
というのも会社の重要な意思決定をする議決機関は「株主総会」ですが、通常の決議には過半数、特別に重要な決議については3分の2以上の議決権が必要になります。この議決権は通常であれば出資比率に応じて与えられるので、資本金の3分の2以上の株式を持つ必要があるのです。
許認可事業では、一定額の資本金が設立条件として求められることもある
古物商、介護事業、飲食業、建設業をはじめ、事業によっては役所等へ許認可や届出が必要なものがあります。それらの中には、許認可の要件に一定額の資本金が求められるケースも存在しますので、かならず監督官庁等に確認します。
もし要件に資本金額の設定があれば、その金額以上の資本金で会社を設立しなくてはなりません。例えば建設業認可では、500万円以上の自己資本が必要になります。
車、パソコン、不動産――。物品を資本金とする「現物出資」を知っておこう
資本金は原則として現金で用意しますが、一部の物品を資本金とすることもできます。これを「現物出資」と呼びます。
現物出資できるのは、自動車、パソコン、不動産、有価証券などの財産です。
かつては現物出資を認めるためには検査役等による調査が必要でしたが、会社法によって設立時の財産価格の総額が500万円を超えない場合は調査不要となり、簡単に現物出資ができるようになりました。
現物出資に際しては、ひとつひとつの資産を適正な時価で評価していきます。車やパソコンについては、購入1年未満ならほぼ購入金額と同額の出資とされます。不動産は不動産鑑定士の証明が求められます。
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